お見合い相手はエリート同期
マンションに帰るといつもの帰宅よりも早いくらいだった。
食事は済ませてあるし、自分の家へ帰ったという安心感でドッと眠気が襲ってきた。
お風呂を済ませるとベッドへと入る。
疲れていたのか、疲れたのか。
知らぬ間に眠っていた。
朝、目覚めて伸びをする。
伸びていくスジが気持ちいい。
最大限伸ばして体を緩めるとその体が軽いことに気がついた。
本当に疲れていたのかな。
澤口の言った通りだというのが癪に触るけど。
嫌いなままなのになぁ。澤口のこと。
それで断れないってどれだけ………。
マンションを出る前に知世からメールが入った。
『社員食堂じゃゆっくり話せないから今日は外へランチに行こう!』
明るい文面を見てこちらの心は一気に憂鬱になった。
せっかくの昼休みに尋問かぁ。
しかも結果を出せていないのに。
嘆息を漏らして気乗りしない体を惰性で通勤経路へと移動させた。
乗り気はしなくても仕事は待ってくれない。