お見合い相手はエリート同期
噂をすればなんとやら。
癒しの筒井さんと一緒になった。
「おはよう。高橋さん。」
「おはようございます。
今日も朝からにこにこされてますね。」
挨拶を交わして会社までのあと少しの道のりを並んで歩く。
「えぇ。電車通勤の小学生に落し物を拾ってもらって。」
にこやかに話してくれる筒井さんの言葉に疑問符が浮かぶ。
「拾ってあげた……のではなくて?」
「いえいえ。拾ってくれたんだよ。
お兄さん落としましたよって。
しっかりしてるよね。
イマドキの子って。」
小学生に落し物を拾ってもらって喜べる筒井さんが素晴らしいと思います。とは言わないで心にしまっておく。
「朝来て、筒井さんがにこやかだとホッとします。」
「ハハッ。それはだって。
お兄さんって呼んでもらえたら喜んじゃうよ。
イマドキの子ってオジサンって言わないように教育されてるんだろうね。」
待って待って。
教育も何も筒井さんはオジサンって歳じゃない。