お見合い相手はエリート同期
7.見る目がない

「ダメ男収集家の汚名は返上できそう?」

 お店に着くや否や知世の辛辣な言葉に嘆息を漏らす。

「知世までそんなこと言わないでよ。」

「だって。
 すごいキャッチフレーズだなぁって。
 考えた人、天才じゃない?」

 楽しそうな知世に不貞腐れた顔をすると「ごめんごめん」と軽く謝られた。

 陰で言われるより清々しいんだけどさ。
 さすがに昨日に今日でそれを言われると堪えるんだよね。

「澤口くんとのお見合い。
 お受けするの?」

 メニューをめくりながら言われて「うーん」と渋い返事を返す。

「私が澤口のこと嫌いなのは知世も知ってるでしょ?」

「それは、まぁね。」

 けれどハッキリ断れない理由を知世もよく知っている。

「けどさ。
 朱音が自分で決意したんじゃない。
 生理的に受け付けないブ男じゃない限りは部長に勧めてもらった人と腹を決めて結婚するって。」

 そうなのだ。
 見合いをお願いするにあたって知世にそう決意表明していた。

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