お見合い相手はエリート同期
昨日はお昼休みさえも忙しくて知世と一緒に食べられなかった。
そのせいなのか、今日はやけに瞳が輝いている。
……ううん。そのせいだけじゃないね。
「朱音。私に話さなきゃいけないことあるでしょ?」
「えー。何もないよ。」
昨日と、えっと、おとといのこと話すわけ?
気が重い以外の何モノでもない。
「お昼は外行くよ!外!」
「えー。」
「杉原さん。俺らもご一緒していい?」
背後から声をかけられて心臓が飛び跳ねた。
無駄にいい声っていうのも、どうにかして欲しい……。
「もちろん!!!ね、朱音!」
今にもスキップし兼ねない知世を横目にため息が出そうになる。
「いいかな?突然だけど。」
私へお伺いを立てたのは小倉くん。
澤口と同じく同期で、あの『高橋さんは澤口くんに嫌いって言われたらしいよ』の時に『高橋さんって美人だよね』と褒めてくれた側の人だ。