お見合い相手はエリート同期
今日は電車に乗り、指定されたカフェに来ていた。
終わったらそこで待っていて。と、指定されたのだ。
『8時には上がるつもり。
食事は一緒にとりたい。』
簡潔なメールは澤口らしい。
お昼休みの別れ際に携帯の方にメールするから休憩時間にでも確認してと言われた。
知世達に冷やかされるのは勘弁被りたかったけど。
自分も8時までかかってしまって、慌てて電車に飛び乗った。
携帯を開くと『まだ少しかかるかも』とメールが入っていた。
『いいよ。気にしないで。
私も終わったところ。』
メールを送ってホッと息をつく。
なんだかんだ毎日会ってるなぁ。
少しずつ心の距離は近づいているような気はするけど……。
澤口は必要以上に触れてこない。
キスも本当にあの一回きり。
大人の関係になるチャンスなんて何度もあったのに、そういう関係にもならない。
一気に色んなことが起こってるからあれだけど、まだ澤口と見合いをして一週間も経ってないものね。
これじゃ私が早く澤口とそうなりたいみたいだ。
頭を振って邪心を追い出す。
澤口が何を考えているのか、いまいち分からないけれど。
私だって澤口のことを好きになったりしない。
形だけの結婚が出来ればそれでいいんだ。