お見合い相手はエリート同期
「恭一は悪戯好きでね。
よく悪さをしてたな。」
「よせよ。」
小学生くらいの頃の澤口を思い浮かべてフフッと微笑む。
「悪戯っ子だったのは、なんとなく想像できるわ。」
「そう?真面目で優等生だったよ。」
「おいおい。記憶をねつ造するなよ。」
穏やかに微笑む透さんに澤口も笑う。
お手洗いに席を立った澤口の姿が見えなくなると透さんは意味深に微笑んで言った。
「あいつが女の子連れてくるのは初めてだよ。」
「そう…なんですか。」
どうして、そんな……。
速まる鼓動を誤魔化すようにノンアルコールのカクテルを口にしても酔うことは出来ないのを恨めしく思う。