パクチーの王様
『あけましておめでとう。
芽以、開店まで、まだ時間があるから……』
時間があるから、初詣に行ってみないか?
着物着て。
……圭太だったら、笑顔で言えるんだろうにな、と思ってしまう。
『芽以、行くぞ、初詣。
着物着て。
可愛かったじゃないか、この間着てたの』
さらっとそう言う圭太を想像し、自分もそのまま言えばいいじゃないかと思うのだが、性格的に言えるわけもない。
口に出来たとしても、なにか重々しく言ってしまい、芽以が、
『は……逸人さんのおうちには、初詣には、着物着て行かねばならない風習とか、因縁とか怨念とかあるんですかっ?』
とか青ざめて言ってきそうだ。
こいつの発想も少しおかしいからな、とテレビを見ながら、おせちを食べている芽以を見る。
芽以、開店まで、まだ時間があるから……』
時間があるから、初詣に行ってみないか?
着物着て。
……圭太だったら、笑顔で言えるんだろうにな、と思ってしまう。
『芽以、行くぞ、初詣。
着物着て。
可愛かったじゃないか、この間着てたの』
さらっとそう言う圭太を想像し、自分もそのまま言えばいいじゃないかと思うのだが、性格的に言えるわけもない。
口に出来たとしても、なにか重々しく言ってしまい、芽以が、
『は……逸人さんのおうちには、初詣には、着物着て行かねばならない風習とか、因縁とか怨念とかあるんですかっ?』
とか青ざめて言ってきそうだ。
こいつの発想も少しおかしいからな、とテレビを見ながら、おせちを食べている芽以を見る。