パクチーの王様

 だが、逸人はこの姉に逆らうのがめんどくさいらしく、言われるがままに、パクチー抜きのランチを作っていた。

 美味しそうだ……と芽以はパクチーのない炒飯やサラダを見つめる。

 そんな物欲しそうな芽以の顔を見たせいか、砂羽が、
「ああ、あんたたち、まだお昼食べられないのよね?
 待っててあげましょうか」
と言ってくれた。

「いえいえ。
 温かいうちにお召し上がりください」

 どうぞどうぞ、と言いながら、そういえば、ちょっとやかしまい砂羽だが、子どもの頃、みんなで遊んでると、お菓子とか差し入れてくれたりしてたっけなーと思い出す。





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