パクチーの王様
「誰が今日来いと言った~っ」
と言いながら、外に出ようとしたが、ドアを開けた隙に、みんなが雪崩込んできてしまい、逸人は店内へと押し戻されていた。

「やあやあ、逸人。
 開店おめでとう」

「十日に来いと言っただろうっ」

「いやいやいや。
 待ち切れなくてー」

「可愛いねえ、店員さん?」
と三人が一斉に喋り出す。

「うるさい。
 黙れっ。

 席に着けっ」

「あ、着いていいんだ。
 じゃあ、遠慮なくー」
とみんな、窓際の席に着いてしまった。

 まあ、もう開店時間だから、いいか、と思いながら、芽以はオープンの札をかけに外に出た。
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