パクチーの王様
「はいっ。
先生の弟子の水島彬光と申しますっ」
と彬光が笑顔で答える。
また呼び名が変わっているが……と思いながら見た神田川の手には、白い封筒があった。
「逸人さんと芽以さんに、招待状です。
甘城《あまぎ》の家とのお食事会の」
と苦笑いしながら言ってくる。
……なるほど、これか、と思いながら握る受話器の向こうから、
『来ないでよっ。
絶対、来ないでよっ』
とわめく日向子の声が聞こえている。
『圭太も居るのよ。
来ないでよっ。
私が圭太をメロメロにさせたあとなら、こっち来てもいいわよっ』
聞こえていたらしい逸人が、
「じゃあ、永遠に行けないな」
といつもの淡々とした口調で言い、同じく聞こえていたらしい神田川がその横で苦笑していた。
先生の弟子の水島彬光と申しますっ」
と彬光が笑顔で答える。
また呼び名が変わっているが……と思いながら見た神田川の手には、白い封筒があった。
「逸人さんと芽以さんに、招待状です。
甘城《あまぎ》の家とのお食事会の」
と苦笑いしながら言ってくる。
……なるほど、これか、と思いながら握る受話器の向こうから、
『来ないでよっ。
絶対、来ないでよっ』
とわめく日向子の声が聞こえている。
『圭太も居るのよ。
来ないでよっ。
私が圭太をメロメロにさせたあとなら、こっち来てもいいわよっ』
聞こえていたらしい逸人が、
「じゃあ、永遠に行けないな」
といつもの淡々とした口調で言い、同じく聞こえていたらしい神田川がその横で苦笑していた。