パクチーの王様
『えっ? 殺される?
誰に?』
と訊き返してくる富美からの電話を取った逸人が、
「莫迦か。
芽以はもう寝てるんだ、切るぞ」
と言って勝手に切ってしまった。
ああっ!
それ、あとが大変ではっ? と思ったのだが、逸人は芽以のスマホを布団に放り、
「大丈夫。
酔ってるんだ。
明日には覚えてない」
と言う。
いや……覚えてると思いますけどね、と横目にそれを見ていると、逸人が、自分を見つめ、
「芽以。
俺は今、猛烈に後悔しているんだ」
と言ってきた。
なにをですかっ?
会社を辞めたことを?
それとも、私と結婚したことをっ?
と思っていると、
「ずっと勉強しかしてこなかったことをだ」
と逸人は言い出した。
誰に?』
と訊き返してくる富美からの電話を取った逸人が、
「莫迦か。
芽以はもう寝てるんだ、切るぞ」
と言って勝手に切ってしまった。
ああっ!
それ、あとが大変ではっ? と思ったのだが、逸人は芽以のスマホを布団に放り、
「大丈夫。
酔ってるんだ。
明日には覚えてない」
と言う。
いや……覚えてると思いますけどね、と横目にそれを見ていると、逸人が、自分を見つめ、
「芽以。
俺は今、猛烈に後悔しているんだ」
と言ってきた。
なにをですかっ?
会社を辞めたことを?
それとも、私と結婚したことをっ?
と思っていると、
「ずっと勉強しかしてこなかったことをだ」
と逸人は言い出した。