パクチーの王様
「私、一緒に暮らしてはいるんですが。
日向子さんみたいに、逸人さんと打ち解けられません」
と言うと、
「いや、夫婦なんでしょ。
呼び捨てにして、甘えなさいよ」
と日向子も小声で言ってくる。
「あの朴念仁の逸人でも、さすがに二人きりのときは、甘い感じの雰囲気出してくるんじゃないの?」
想像つかないけど、と笑う日向子に、いえ、私も想像つきませんけどね、と思っていた。
「私、昔から、逸人さんを前にすると、緊張してたんですけど。
結婚してから、より一層、それがひどくなっちゃって。
得体の知れない行動とっちゃったりするんですよー」
と言うと、日向子は、わかるわかる、と頷いてみせる。
「私も、圭太の前ではそうだから。
他の人の前では、もうちょっといい女を演じられるのになー」
凍てつく窓の外を見ながら、そう呟く日向子に、
「いい女って演じるものなんですか?」
と訊くと、
「そりゃ、多少は格好つけないとね」
と言ってくる。
日向子さんみたいに、逸人さんと打ち解けられません」
と言うと、
「いや、夫婦なんでしょ。
呼び捨てにして、甘えなさいよ」
と日向子も小声で言ってくる。
「あの朴念仁の逸人でも、さすがに二人きりのときは、甘い感じの雰囲気出してくるんじゃないの?」
想像つかないけど、と笑う日向子に、いえ、私も想像つきませんけどね、と思っていた。
「私、昔から、逸人さんを前にすると、緊張してたんですけど。
結婚してから、より一層、それがひどくなっちゃって。
得体の知れない行動とっちゃったりするんですよー」
と言うと、日向子は、わかるわかる、と頷いてみせる。
「私も、圭太の前ではそうだから。
他の人の前では、もうちょっといい女を演じられるのになー」
凍てつく窓の外を見ながら、そう呟く日向子に、
「いい女って演じるものなんですか?」
と訊くと、
「そりゃ、多少は格好つけないとね」
と言ってくる。