パクチーの王様
「二時限目、休講になったので、早めに来ちゃいましたー」
とやってきたのは、彬光《あきみつ》だった。
「あら、可愛い子」
と殺されるとわめいていた日向子の気がそれる。
殺やるなら今だが、まあ、もちろん、殺やらなかった。
此処は、逸人さんの大事な店だからな、と思ったとき、
「そうか。
じゃあ、とりあえず、厨房に来い」
と今の騒ぎの深刻さをわかっていない逸人は、彬光を連れ、さっさと厨房に行ってしまった。
いや、深刻とは言っても、芽以の気持ちの上での問題だが。
……私が、最初から逸人さんを好きとか。
いや、そんな……、と思う芽以の目の前で、日向子が、
「あんた、恥じらう前に、その凶器から手を離しなさいよーっ」
とわめいていた。
とやってきたのは、彬光《あきみつ》だった。
「あら、可愛い子」
と殺されるとわめいていた日向子の気がそれる。
殺やるなら今だが、まあ、もちろん、殺やらなかった。
此処は、逸人さんの大事な店だからな、と思ったとき、
「そうか。
じゃあ、とりあえず、厨房に来い」
と今の騒ぎの深刻さをわかっていない逸人は、彬光を連れ、さっさと厨房に行ってしまった。
いや、深刻とは言っても、芽以の気持ちの上での問題だが。
……私が、最初から逸人さんを好きとか。
いや、そんな……、と思う芽以の目の前で、日向子が、
「あんた、恥じらう前に、その凶器から手を離しなさいよーっ」
とわめいていた。