パクチーの王様

 なにかこう、爆発的に増えるイメージだからだろうか。

 それとも、パクチー好きが増えると、世界がパクチーの匂いで汚染されそうな気がしたからだろうか。

「私、パクチーをもっともっと世に広めたいんですよー」
と笑顔で彼女は言ってくる。

 奇特な人だ……。

 でも、私もいい加減、パクチーを好きになって、お店に来る人と楽しくパクチー談義とか出来るようにならなきゃな。

 逸人さんのためにも、と息を止めて、料理を運びながら、芽以は思っていた。







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