パクチーの王様
「……こんな嫁ってなによ」
と日向子は静を睨んでいたが、いつもほど覇気がなかった。
圭太とうまくいっていないようなので。
些細な人の言葉が意外と気になるのかもしれない。
「心配するな、静」
と逸人がなだめに入った。
「日向子と結婚して社長になるくらいなら、俺は、会社を辞めて川に飛び込む」
「川に飛び込むはいらなくない?」
と言う日向子に、逸人は、
「いや、こいつは使い物にならないとみんなが思うくらい、徹底して、錯乱したところを見せないと」
と言っていたが。
今、現在、錯乱して使い物にならない人が上に居るんですが……と思う。
そっと天井を窺っていたのに気づいていたらしい日向子が、
「上になにか居るの? ネズミ?」
と訊いてきた。
と日向子は静を睨んでいたが、いつもほど覇気がなかった。
圭太とうまくいっていないようなので。
些細な人の言葉が意外と気になるのかもしれない。
「心配するな、静」
と逸人がなだめに入った。
「日向子と結婚して社長になるくらいなら、俺は、会社を辞めて川に飛び込む」
「川に飛び込むはいらなくない?」
と言う日向子に、逸人は、
「いや、こいつは使い物にならないとみんなが思うくらい、徹底して、錯乱したところを見せないと」
と言っていたが。
今、現在、錯乱して使い物にならない人が上に居るんですが……と思う。
そっと天井を窺っていたのに気づいていたらしい日向子が、
「上になにか居るの? ネズミ?」
と訊いてきた。