パクチーの王様
「まあ、ある意味、血判状みたいなものだ。
永遠に違《たが》えることない誓いの紙だ」
覚悟を秘めたようなその口調に、今にも腹でも斬りそうだ、と怯えながら、芽以はハンコを押した。
今度こそ、強制されることもなく――。
ペンを置いた逸人が、
「気に入らなかったら、捨ててくれ」
と言って、あの小箱を渡してきた。
薄く模様の入った白い包みに入っている。
包装を解くと、中から淡い水色の箱に入った指輪が出てきた。
細いリボン型の指輪で、小さなダイヤがちりばめられている。
「あ、か、可愛いです」
と芽以が言うと、逸人はホッとしたようだった。
「俺たちの縁が解けないように、と思って買った」
と言ったとき、普段は変わらない逸人の顔が、少し赤くなったように見えた。
逸人は、あの白い指で、指輪をつかむと、芽以の手を取り、はめてくれる。
永遠に違《たが》えることない誓いの紙だ」
覚悟を秘めたようなその口調に、今にも腹でも斬りそうだ、と怯えながら、芽以はハンコを押した。
今度こそ、強制されることもなく――。
ペンを置いた逸人が、
「気に入らなかったら、捨ててくれ」
と言って、あの小箱を渡してきた。
薄く模様の入った白い包みに入っている。
包装を解くと、中から淡い水色の箱に入った指輪が出てきた。
細いリボン型の指輪で、小さなダイヤがちりばめられている。
「あ、か、可愛いです」
と芽以が言うと、逸人はホッとしたようだった。
「俺たちの縁が解けないように、と思って買った」
と言ったとき、普段は変わらない逸人の顔が、少し赤くなったように見えた。
逸人は、あの白い指で、指輪をつかむと、芽以の手を取り、はめてくれる。