パクチーの王様
「そうだねー。
今が平和でよかったから、環境変わるの、ちょっと怖いよね」
とそちらを見ながら言うと、
「なに言ってんの。
あんたが一番激変すんでしょ、結婚するんなら。
ところで、パクチーパクチー言ってるけど。
あんたの旦那、ナニ人じん?」
と言ってくる。
さっきまで、圭太と結婚すると思っていたらしいのに、いつの間にか、千佳の頭の中の芽以の夫は、エスニックな国の人に変わってしまっていたようだ。
「……日本人だよ」
しかし、この会社ともお別れか、と感慨深く芽以は社食を眺める。
陽気な食堂のおばちゃんたちや、年季が入ってはいるが、小綺麗な室内。
入社して人事の人に初めて此処に連れてこられたときのこと思い出し、ちょっとしんみりしてしまった。
今が平和でよかったから、環境変わるの、ちょっと怖いよね」
とそちらを見ながら言うと、
「なに言ってんの。
あんたが一番激変すんでしょ、結婚するんなら。
ところで、パクチーパクチー言ってるけど。
あんたの旦那、ナニ人じん?」
と言ってくる。
さっきまで、圭太と結婚すると思っていたらしいのに、いつの間にか、千佳の頭の中の芽以の夫は、エスニックな国の人に変わってしまっていたようだ。
「……日本人だよ」
しかし、この会社ともお別れか、と感慨深く芽以は社食を眺める。
陽気な食堂のおばちゃんたちや、年季が入ってはいるが、小綺麗な室内。
入社して人事の人に初めて此処に連れてこられたときのこと思い出し、ちょっとしんみりしてしまった。