序列ゲーム
モノローグ~最終手段~
~??? side~
「君にしか、出来ないことなんだ」
大きな大人が見下ろすように小さい私に願いを請うている。
「君は他の人とは違う。君は『絶望』に恐怖を感じていない。君は他の人達を絶望に落とせる能力があるんだ」
絶望か。確かに絶望には恐怖を感じない。
寧ろ、絶望に「希望」を感じている。
絶望は人を変える膨大な力があるからだ。
「僕のクラスの生徒は倫理観も道徳心もない。
他のクラスは普通なのに…
もう嫌なんだ。僕の所為じゃない。こうなるのは全部、彼奴らの所為なんだ!」
大人が私のクラスメートを酷く罵る。
それに憤慨もしないし同情もしなかった。
「だから考えたんだ。どうすれば彼奴らが
酷い目に遭って更生するかを」
あーあ。そう考えちゃうんだ。
自分を変えるんじゃなくて
相手に変わってほしいんだ。
「君は他の奴と違った。僕を許してくれた。
僕の所為じゃないって言ってくれた!」
…正確に言えば私達にも非があるって
私は言ったんだけどな。
「だから、君に協力してほしい。
クラスの中から蝕むように。
彼奴らを絶望させてほしいんだ」
私は頷いた。大人の顔が綻ぶ。
別に大人の為に協力するのではない。
あくまで、自分の為に。
自分の眼に皆の絶望を刻む為に。
最後に1つ、大人に向かって吐いた。
「先生。それで貴方は満足なんですか?」
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