mirage of story
ザアァァァッ―――。
ブワアァァッ!
風を切り裂き竜はシエラ達を背に乗せ空を翔る。
風を切り裂く轟音が耳を突く。
こんな中に生身の人が晒されれば、一溜まりもないだろう。
それでも風圧は感じないのは、竜の力に守られているからだ。
「お願いだから.......私を待っていて」
ドオォォンッ.....。
真っ黒な雲の下では世界が壊されていく音。
風を裂く轟音に世界の終わりの足音。
そんな中でシエラは手に握ったままだった、さようならで終わった紙切れを両手で握り締め祈るように竜の背に身を任せた。
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