mirage of story
ワアァァアッ!
迫り来る闇を裂き、前へ前へと進む二人の後ろから雄叫びのような兵達の声。
先程遠くに見えたロキ達率いる地上からの一派が合流したのだろう。
これで少しは戦いに変化が生まれるといいのだが。
ザンッザンッ。
........ザッ―――。
辺りには爆発音に似た轟音。低音で地を揺るがす不気味な音。
剣の音。叫び声。
ッ。
「!?」
闇を切り裂き進むシエラとライルは、不意に闇を切る感覚を失い思わず前のめりになる。
何が起こったか、一瞬分からなかった。
だが冷静に頭を切り替えて前を見ると、そこは今までずっと目の前を遮っていた闇が晴れ開けた空間。
「闇を抜けたようね」
余りに唐突に抜けた闇。
唐突すぎることへの疑問と不審感に、剣を握る手にグッと力が入る。
これは闇の......あの黒き竜の意図か?罠か?
この戦場ではどのような状況になろうとも、それを疑わずには居られない。
きっと黒き闇の竜には、自分達が見えているのだろう。
こちらからは見えなくとも向こうは手に取るように全てが見えていて、きっと必死に藻掻いている姿を醜悪な笑みを浮かべながら見ているのだろう。
まったく、何処までも恐ろしい闇だ。
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