mirage of story
討伐、逃走
〜1〜
ギイィィィ。
扉を開けたその向こう。
目に映ったのは、剣を構えこちらに向かってくる憎しみの闇を纏った人影。
黒色がかった青い髪。鋭い光を放つギラギラとした蒼い瞳。
あれは、ライルだ。
追われる者の瞳には、憎しみに任せこちらに向かう獣のようなライルが居た。
ライルは魔族。
シエラとカイムから大切なものを奪っていった悪の存在。
そして───今は、シエラの命を狙う天敵。
「───ッ!?
シエラ!奴だ!
昨日の魔族が来たぞ!」
「.........ライル....!」
シエラは喉の奥から、憎い相手の名を絞り出した。
シエラたちがライルの姿に気が付いた時には、もう既に敵の射程距離の中に居た。
剣を構え走ってくるライルの姿がだんだんとはっきり....大きくなってくる。
「─────シエラァァッ!」
ライルが、剣を向けている憎しみの矛先であるシエラの名を叫ぶ。
猛々しい猛獣のように。
その声は、空気をも震わせシエラたちの元に伝わる。
尋常じゃない程の殺気を纏ったその声に、緊張が走った。
「......どうする、シエラ?
逃げるか?」
カイムが短く問う。
「いや、普通に逃げてもすぐに追い付かれちゃう」
ライルは物凄い速さで、彼の獲物である自分たちを目がけて追って来る。
その速さに、シエラは逃げ切れる自信がない。
.
ギイィィィ。
扉を開けたその向こう。
目に映ったのは、剣を構えこちらに向かってくる憎しみの闇を纏った人影。
黒色がかった青い髪。鋭い光を放つギラギラとした蒼い瞳。
あれは、ライルだ。
追われる者の瞳には、憎しみに任せこちらに向かう獣のようなライルが居た。
ライルは魔族。
シエラとカイムから大切なものを奪っていった悪の存在。
そして───今は、シエラの命を狙う天敵。
「───ッ!?
シエラ!奴だ!
昨日の魔族が来たぞ!」
「.........ライル....!」
シエラは喉の奥から、憎い相手の名を絞り出した。
シエラたちがライルの姿に気が付いた時には、もう既に敵の射程距離の中に居た。
剣を構え走ってくるライルの姿がだんだんとはっきり....大きくなってくる。
「─────シエラァァッ!」
ライルが、剣を向けている憎しみの矛先であるシエラの名を叫ぶ。
猛々しい猛獣のように。
その声は、空気をも震わせシエラたちの元に伝わる。
尋常じゃない程の殺気を纏ったその声に、緊張が走った。
「......どうする、シエラ?
逃げるか?」
カイムが短く問う。
「いや、普通に逃げてもすぐに追い付かれちゃう」
ライルは物凄い速さで、彼の獲物である自分たちを目がけて追って来る。
その速さに、シエラは逃げ切れる自信がない。
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