mirage of story
「隊長....ようやく乗ってきたねぇ!
でも簡単には負けてやれねぇぜ?
何せ俺はどうも手抜くのは苦手でね」
ジェイドも跳ね返された槍を再び構え体勢を立て直す。
―――!
そして次の一瞬に瞬く閃光と飛び散る火花。
刃と刃が軋み交わり合う。
力は互角か。
強者という部類に称されるようなこの二人の実力。
その強者が互いの力を全力でぶつけているのだ。
その光景が醸し出す迫力は、その空間全域を揺るがす程に鮮烈である。
「相変わらずの力と動きの良さ!
やっぱりライル、あんたみたいな奴とはなかなか巡り会えない。
ハハッ!.......こりゃ久々に楽しくなってきた!」
カアァンッ!
ギィンッ―――ッ!
言葉と共に、再び刃が二人の間に火花を散らす。
押して押されて、互いに一向に引く気配はない。
刃を交える二人の駆け引きが暫く時を支配した。
「..........でも、このままじゃ埒が明かないねぇ」
強い力のぶつかり合い。
互いに見える憔悴の色。
拮抗する力がどれほど交わり合っても、力は中和されて結局決着などは着きはしない。
この状況から勝利へ抜け出すためには、相手の力を越える一手が必要不可欠と言えた。
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