mirage of story
〜2〜
「さて、と!
嬢ちゃんよ、早速何か聞きたいことはあるかい?」
彼女のすぐ横。
未だ傍でカイムが眠るその場所に、どっこいしょなどと年寄り臭い掛け声で腰掛けたジェイド(若干二十歳の青年)は口を開く。
「え....えぇっと、聞きたいことがたくさんあって。
ううん、どれから聞いていいのかしら」
彼女は彼に聞きたいことは沢山在った。
........。
ロアルのことにライルのこと。魔族のこと。
そして彼自身のことや、亡くなったとされる魔族の姫と指輪のこと。
沢山在りすぎて迷う。
彼は貴重な存在だ。
普通ならば彼女が知り得ない魔族の、つまり敵の情報を彼なら沢山持っている。
そんな彼が自ら進んで何でも聞いて良いというのだから、そんな彼の気が変わらないうちにとシエラは少し興奮し焦る。
「ハハッ!安心しな、嬢ちゃん?
俺に答えられる範囲、知り得る範囲のことなら何でも答えてやるさ。
そう焦らなくてもいい」
ジェイドは笑う。
.........。
だが、それでも唸る彼女に浮かべる笑いを苦笑いに変え続ける。
「ふぅ、仕方が無いねぇ。
じゃあ俺が決めてもいいかい?
色々話してきゃ、嬢ちゃんの聞きたいことも自ずと出て来るだろう?」
「は、はい」
ッ。
シエラは申し訳なさそうに眉を潜めた。
「じゃあず俺のことから。
自己紹介はもうさすがに要らないな?
じゃあ嬢ちゃん達にまだ話して無いことから話すとしようか」
コクリ。
彼女は頷く。
「俺はな、奴等―――そう昨日襲ってきたあいつらと同じ部隊に居た。
魔族の大国ロマリアの国家先鋭部隊なんていう大それた名前の部隊にな。
そこで俺は、隊長であるライルの元で戦っていたんだよ。人間とね」
.
「さて、と!
嬢ちゃんよ、早速何か聞きたいことはあるかい?」
彼女のすぐ横。
未だ傍でカイムが眠るその場所に、どっこいしょなどと年寄り臭い掛け声で腰掛けたジェイド(若干二十歳の青年)は口を開く。
「え....えぇっと、聞きたいことがたくさんあって。
ううん、どれから聞いていいのかしら」
彼女は彼に聞きたいことは沢山在った。
........。
ロアルのことにライルのこと。魔族のこと。
そして彼自身のことや、亡くなったとされる魔族の姫と指輪のこと。
沢山在りすぎて迷う。
彼は貴重な存在だ。
普通ならば彼女が知り得ない魔族の、つまり敵の情報を彼なら沢山持っている。
そんな彼が自ら進んで何でも聞いて良いというのだから、そんな彼の気が変わらないうちにとシエラは少し興奮し焦る。
「ハハッ!安心しな、嬢ちゃん?
俺に答えられる範囲、知り得る範囲のことなら何でも答えてやるさ。
そう焦らなくてもいい」
ジェイドは笑う。
.........。
だが、それでも唸る彼女に浮かべる笑いを苦笑いに変え続ける。
「ふぅ、仕方が無いねぇ。
じゃあ俺が決めてもいいかい?
色々話してきゃ、嬢ちゃんの聞きたいことも自ずと出て来るだろう?」
「は、はい」
ッ。
シエラは申し訳なさそうに眉を潜めた。
「じゃあず俺のことから。
自己紹介はもうさすがに要らないな?
じゃあ嬢ちゃん達にまだ話して無いことから話すとしようか」
コクリ。
彼女は頷く。
「俺はな、奴等―――そう昨日襲ってきたあいつらと同じ部隊に居た。
魔族の大国ロマリアの国家先鋭部隊なんていう大それた名前の部隊にな。
そこで俺は、隊長であるライルの元で戦っていたんだよ。人間とね」
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