mirage of story
「先鋭部隊っていうのは.....まぁ、国家直属の戦闘部隊のことだな。
魔族で戦闘能力が高い奴らが、その部隊に配属される。
魔族のエリート集団ってとこだな。で、俺もそのエリートだったと」
「.....ジェイドさん。
自分で言うと説得力ないですよ」
少し自慢気なジェイドに、シエラは空かさず突っ込む。
「つれねぇなぁ、嬢ちゃん。
....まぁ、話を続けるぜ?
そのエリート集団に、俺も居たわけよ。五年くらいな。
先鋭部隊は、王の命令で動く。
だが、大抵のことは普通の部隊の連中で片付いちまうから....仕事はあんまなかったな」
「ロアルの....命令で?」
「あぁ、そういうことだ。
先鋭部隊はロアルお抱えの部隊だからな。
あのおっさんが王になってから作らせた部隊らしい.....国じゃなくて、あのおっさんのために働かされてるみてぇだった」
ジェイドは、そう思い出すように言うと自嘲気味に笑った。
「.....その先鋭部隊っていうのは、どんなことをやっていたんですか?」
「普段は普通の部隊の連中の指導やったりそんなことが主だった。
.....あ、でも俺居た中で一度だけ先鋭部隊が総動員された時があったな」
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