mirage of story
 
 
 
 


 
隣で気持ち良さそうに寝息を立てる二人。
揃ってこんなに気持ちよさそうに寝る姿を見れば眠くならないわけがない。


ッ。
シエラは急に込み上げて来た眠気に大きな欠伸をする。

そして近くにあった荷物を枕代わりにして大地に寝転がった。
背中に感じる地面の固さ。
だがその固さも不快ではなかった。







「.......」



見上げた空はどこまでも高く上に突き抜け、手を伸ばせば雲を掴めそうな気がした。

だが雲は掴めないという当たり前な現実に少しだけ気が滅入り、シエラは視線を空から逸らした。



ッ。
そしてそのまま重くなる瞼に任せて、薄れる意識を手放し夢に堕ちていくのだった。








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