mirage of story
〜1〜
まっさらな世界。
在るのは、どこまでも広がる荒野とその荒野を燦々と照らす太陽。
ただその荒野の真ん中には.....地を抉り取ったような、大きな傷跡があった。
その傷跡は、大地を二つに切り裂いていた。
その傷跡は、何処までも深く底は闇に埋もれていて、其処は注ぐ太陽の光も届かぬ、漆黒だった。
裂けた大地の底からは、何か悍ましい....そして禍々しいモノが留めどなく溢れ出す。
憎しみ。悲しみ。苦しみ。
全ての負の感情が入り交じっていた。
この世の終わり。そんな言葉が、この闇にはお似合いだった。
その大きく裂けた大地を、遥か空の上から見下ろす二つの影。
己の身体の全てを覆い尽くしてしまいそうな程の大きな翼。
大地を見下ろす瞳は、一つの影は炎の如き紅い瞳。もう一つの影は氷の如き碧い瞳。
そしてその瞳と同じ色をしている幾重にもなる煌めく鱗が、身体全体を覆っている。
―――竜。
大地を見下ろすその姿は、紛れもない"それ"で、引き裂かれた大地の奥底を
ただ静かに見据えていた。
「――――――これでこの世界は.....平和になるのであろうか?」
ただひたすらに裂けた大地の奥底の闇を見据えていた紅色の影が、ぽつり問い掛ける。
「.......分からぬ」
まっさらな世界。
在るのは、どこまでも広がる荒野とその荒野を燦々と照らす太陽。
ただその荒野の真ん中には.....地を抉り取ったような、大きな傷跡があった。
その傷跡は、大地を二つに切り裂いていた。
その傷跡は、何処までも深く底は闇に埋もれていて、其処は注ぐ太陽の光も届かぬ、漆黒だった。
裂けた大地の底からは、何か悍ましい....そして禍々しいモノが留めどなく溢れ出す。
憎しみ。悲しみ。苦しみ。
全ての負の感情が入り交じっていた。
この世の終わり。そんな言葉が、この闇にはお似合いだった。
その大きく裂けた大地を、遥か空の上から見下ろす二つの影。
己の身体の全てを覆い尽くしてしまいそうな程の大きな翼。
大地を見下ろす瞳は、一つの影は炎の如き紅い瞳。もう一つの影は氷の如き碧い瞳。
そしてその瞳と同じ色をしている幾重にもなる煌めく鱗が、身体全体を覆っている。
―――竜。
大地を見下ろすその姿は、紛れもない"それ"で、引き裂かれた大地の奥底を
ただ静かに見据えていた。
「――――――これでこの世界は.....平和になるのであろうか?」
ただひたすらに裂けた大地の奥底の闇を見据えていた紅色の影が、ぽつり問い掛ける。
「.......分からぬ」