mirage of story










その三人に、私は一人ずつ視線を移していく。




銀色の長い髪を揺らし、顔にお馴染みの笑みを浮かべるのはジェイド。
冷静すぎるほど落ち着いた紫の瞳で、何を考えているのか全く分からない表情のロキ。


そして。
そして最後に見えるのは、炎に負けないくらいの美しい紅の髪と瞳。

いつも優しくいつも私を包み込んでくれる、カイムのその姿。






















(カイム―――――)





貴方は、どう思うだろうか。
本当の私を知ってしまったら。




憎む?蔑む?
それともまだ、私をいつものように優しく包み込んでくれますか?

まだ、仲間で居てくれますか?











.......ちゃんと話さなければならない。

でも、突き放されるのが怖い。
カイムに嫌われ憎まれるのが怖い。堪えられない。





このまま全て黙っておいてしまおうか。
そう考えてしまう自分が情けなくて嫌いになる。


黙っていても、多分この気持ちは罪悪感に似たこの気持ちは大きくなるばかりだし、いずれは取り返しのつかなくなってしまう。
それに真実を知ってしまった今、これはもはや私だけの問題ではなくなってしまった。









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