社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
あとに残されるのは呆然と立ち尽くす女性たちだ。芸能人やモデルと間違えている人が続出していて、赤信号などで立ち止まればあっという間に取り囲まれてしまった。
目立つことが嫌いで、目立たないように生きてきた私からしても、社長の目立ちぶりは半端ない。
「前原!」
「はい!」
「遅い! なんでそんなに後ろにいるんだよ」
「すみませんっ」
社長の目立ちぶりに感動すら覚えていたんです、という言葉をのみ込んで彼の斜め後ろにつくと、行き交う女性たちのひそひそ声が耳に入った。