社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「面談、終わったのか?」
低い声に顔を上げた途端、あっと声を出しそうになる。
視界に飛び込んできたのは、この転職フェアの会場において似つかわしくない、真っ白のケーブル編みニット。Vゾーンから微かにのぞいた鎖骨の窪みに目が吸い寄せられ、さらにその上、せり出した喉ぼとけの向こうに恐ろしいほど整った顔がのっている。
さっき私の胸をときめかせた彼が、目の前に立っていた。
彼の手が私の肩に置かれたと思ったら、くるりと体を反転させられ、会釈したばかりの面談担当者と向き合う形になる。
「え……あの、え?」
「内藤、どうだった? この子」
男性の問いかけに、ツーピースの女性がわずかに眉根を寄せた。ため息をつき、小さく首を振る。