社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「ふん、まあいい。採用だ」

 私の肩に手を置いたまま言い放った彼に、これまで微動だにしなかった内藤さんの表情が大きく動いた。目をぐわっと開き、信じられないように男性を見る。

「ちょ、本気ですか、社長」

 その言葉で、思わず彼を振り仰いだ。

 メガネレンズの向こうの顔は、間近で見ても整っている。

 事態がうまく呑み込めなかった。

 スーツで来ない求職者なんていただけない、と思っていた目の前の彼が、今、社長と呼ばれていなかった?

「本気だ。さやかは……賛成みたいだな」

 にこにこ微笑みながらうなずいているショートカット美人を見やってから、彼は私に視線を落とす。

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