社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「……社長は地味っ子を変身させることに喜びを感じるって、峰島さんが」
「あいつ……」
「すみません、私。せっかく社長が」
「はあ」と深いため息が聞こえて、私は言葉を切った。
唇に触れていた手が離れ、私はおそるおそる目を戻す。
社長は漂わせていた色気を引っ込めて素の顔をしていた。私と目が合うと気まずそうに頭を掻き、顔を逸らす。
「別に、喜びを感じてるわけじゃない」
「は、はい。わかってます! 社長は私たちみたいな地味な子を放っておけないんですよね! 立派な慈善活動ですよ!」
言いながら、胸の奥に小さな痛みを覚えた。