社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
自分に向けられた柔らかな微笑に、胸が締め付けられる。
「そういうヤツは初めてだった。自分で選んで、その姿でいる。あの頃内向きだった俺とは、違う次元にいる」
社長の声がかすれていく。微笑みながら少しずつ目を閉じて、大きな体がソファに沈んでいく。
「救ってやりたいなんて、おこがましい」
――そう、思ったんだ……。
途切れ途切れの低い声は、やがて微かな寝息に変わった。
息が苦しくて、自分が呼吸を止めていたことに気づく。胸の締め付けがひどくて、私は社長から目を逸らした。
心臓が痛いほど脈打っている。
なに、これ。
うれしいような、切ないような気持ちに、涙まで出そうだ。