社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
ドアをあけてくれた内藤さんは、私の挨拶にうるさそうに目を細め「こちらへ」と言ってフロアの一角に歩き出した。今日の彼女はラフなジャケットにロングスカートを合わせていてカジュアルな装いだ。
「改めて、人事・総務その他の事務を担当してる内藤順子です。うちはフリーアドレス制なので、座席は決まってません。出勤したらご自分のノートPCをもって好きな席を使ってください」
「は、はい」
「前原さんのPCはあとで設定してお渡しします。今日のところはひとまずそこの角の席へどうぞ。それと、のちほど簡単な自己紹介をしてもらいますので」
説明を済ませると、彼女は私に座るように促して去っていった。端的な物言いをする彼女は、間近に見ると想像以上に肌艶がよかった。三十代半ばくらいだと思っていたけれど、二十代かもしれない。