社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「お前がそうしたくても、俺は許さない」

「な……なんですか、それ」

 もやっとしたものが胸に広がった。

 新庄さんが戻ってきたのに、私だけでここに住み続けるなんて、そんなつらいことをしろというのだろうか。

 社長が新庄さんと過ごしていた部屋に、私ひとりで残るなんて、できない。

「先に出ていったのは社長じゃないですか。だったら私の方が出るべき――」

「だから、ちゃんと順序を踏もうと思ったんだ」

「……は?」

「社員を自宅に住まわせておいて手を出すなんて、セクハラにもほどがあった。悪かった」

 突然、大きな体が頭を下げた。

「え……え?」

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