社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「だって、社長は」
「俺が、あいつのことを想いながら、お前に手を出したと?」
怒っているような悔やんでいるような目から顔を逸らし、私は叫ぶ。
「しょうがないですよ! むしろ男性として当然です! だって失恋したうえに、好きな女性と似た背格好の……む、無防備な女と暮らしてたら、誰だって……」
言いながら、新庄さんの言葉を思い出していた。
『一緒の部屋にいたら、そりゃ男はたまらないわよ』
まさにこのソファの上で、彼女は私を見て微笑んだ。
全部私が悪いのだ。
社長は最初、私に部屋を使わせてくれる間、自分はここを出ると言っていたのに。私が引き留めたから。何もわかっていなかった、浅はかな私が。
「ふざけんな」
ぐっと、これまで以上の強い力で肩を押さえつけられた。