社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

「社――ん」

 抵抗しようとした瞬間、唇を押し付けられた。いつか感じたのと同じ柔らかさに、全身が反応する。けれど、それだけでは終わらなかった。

 唇の間から入り込んできた感触に、ぞくりと背筋が震える。

「ん、んん」

 はじめての感覚に頭が真っ白になった。逃げようとする私の舌をとらえて、社長は自身の舌を絡めてくる。

 息苦しさと恥ずかしさに、涙が滲んだ。

 曖昧なキスでも正真正銘のキスでもない。

 もっと深いところで絡み合う、艶めかしいキス。

 体から力が抜けていき、何も考えられなくなっていく。

 長い時間翻弄されて唇が離れると、私と同じように呼吸を乱している彼と目が合った。

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