社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
「……わかった」
目をつぶり、彼は息をつく。伸ばしていた手を引っ込めて私の頭をふわりと撫でる。
「結愛がいいって言うまで、体には触らない」
言いながら、ソファに沈んでいた体を起こしてくれた。
「体目当てじゃないって、証明してやる」
「本当ですか? じゃあ一年後とかでもいいですか?」
社長から、んぐっと喉が詰まったような声が漏れた。
「……できれば一ヶ月、いや、半年……」
もごもごと口にしてから、がくりと項垂れる。
「いいよ。いつまでだって待つ」
拗ねたような目で私を見ると、彼は私の後頭部を引き寄せた。優しい手つきでメガネを外され、ぼやけた視界の中で端正な顔が近づいてくる。
「今は、これで我慢する」
そうつぶやいて、社長は私に柔らかいキスを落とした。