社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~
エピローグ
***
お盆が明けた途端、日中の肌を突き刺すような太陽光線が嘘みたいに和らいだ。日没後の空気からは蒸し暑さが消え、少し前まではこの時間でも明るかった窓の外が今では暗闇に沈んでいる。
「え、前原ちゃんまた引っ越すの?」
定時後の緩んだ空気の中で、名取さんがノートパソコンから顔を上げた。
「だから名取、勝手に女子トークに入って」
金髪女子の板倉さんが噛みつく前に、営業マンの彼は立ち上がって私と彼女の間に割り込む。
「ルームシェア先、見つかったの?」
本当は社長の本来の自宅マンションの方に住まわせてもらうことになったのだけれど、それを言うとややこしくなる。会社ではさすがに、社長と付き合っていることは内緒にしていた。
お盆が明けた途端、日中の肌を突き刺すような太陽光線が嘘みたいに和らいだ。日没後の空気からは蒸し暑さが消え、少し前まではこの時間でも明るかった窓の外が今では暗闇に沈んでいる。
「え、前原ちゃんまた引っ越すの?」
定時後の緩んだ空気の中で、名取さんがノートパソコンから顔を上げた。
「だから名取、勝手に女子トークに入って」
金髪女子の板倉さんが噛みつく前に、営業マンの彼は立ち上がって私と彼女の間に割り込む。
「ルームシェア先、見つかったの?」
本当は社長の本来の自宅マンションの方に住まわせてもらうことになったのだけれど、それを言うとややこしくなる。会社ではさすがに、社長と付き合っていることは内緒にしていた。