社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

 私が働いていた飲食店はアルバイトが主で、社員は私と店長のふたりだけだった。二十四時間営業の店舗を回すにはどう考えても人手が足りず、結局社員が無理をするしかない。

 それなのに、店長は責任を放棄するようにほとんどの仕事を私に任せ、自分は休んでばかりいた。

 必然的に私の一日の勤務時間は十五時間を超えた。休みは月に一度取れるかどうかといった状況で、それが何ヶ月も続き、二ヶ月前にとうとう私の体は音を立てるようにして壊れたのだ。

 見舞いに来た店長から謝罪の言葉を掛けられ、辞めないでくれと懇願されたけれど、それに応えるほど私はお人よしではない。

 だから、今度はなるべく飲食系以外の仕事がしたかった。できればデスクワークがいい。

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