君が夢から覚めるまで
「誰だ〜未成年に酒飲ませたの〜」
「ジュースと間違えて飲んだみたい」
ご機嫌だった怜はアルコールを口にし、酔い潰れていた。
香帆は片付けを手伝い、怜の母と並んで洗い物をする。
「先生と付き合うって聞いた時は本当に驚いたわ」
「す、すみません…」
「あら、謝ることなんてないわ。むしろご迷惑かけてるんじゃないかしら。ほらあの子ワガママだから」
「いえ、そんな事ないです。楽しませて貰ってるのは私の方ですから」
まるで嫁と姑のような会話になってしまった。
一通り片付けも済むと、終電が近くなってくる。
相変わらず怜はソファで気持ちよさそうに寝ていた。
「そろそろ私、帰りますね」
「悪かったわね、こんな遅くまで」
「いえ」
「俺、車だから送ってくよ。飲んでないし」
亮が立ち上がり、車のキーを手にする。
「ええっ!いいよ、そんなまだ電車あるし」
香帆は全拒否する。
「こんな時間に女の子一人で帰らせるわけねぇだろ。なんてったって怜の大事な彼女なんだからさ」
「そうよ、香帆ちゃん。亮に送って貰いなさい。私もその方が安心だわ」
え、ええーーーーっ‼︎
怜の母に後押しされてしまった。
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