君が夢から覚めるまで
13.触発
頭がガンガンする…。
どうやら昨日の合格祝いでお酒を飲んだようだ。
当然だが、朝目覚めたら香帆は居なかった。
電話したら留守電になった。
昨日のお礼をメールした。
香帆は亮が送って行ったと聞き、お礼がてら亮にも電話する。
「香帆ちゃん送ってくれてありがと」
『あ、ああ。お前、未成年のくせして酒飲むなよ。彼女送ってくのは彼氏の役目だろうが』
「うん、ごめん。反省中…。香帆ちゃんの家まで送ってったの?」
『?』
「今、電話しても出なかったから無事に帰れたかなぁって」
『あ〜大学かバイトじゃね?ちゃんと家の真ん前まで送ったから大丈夫だって』
家の真ん前…彼氏の自分ですら香帆の家を知らないのに、先に亮が知ったことに複雑な気分になる。
せめて、一緒について行けば良かったと後悔した。
全ては間違ってお酒を飲んでしまった自分が悪いのだが…。
< 32 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop