君が夢から覚めるまで
怜は和馬と仲が良く、一緒にいる事が多かった。
当然、香帆もその側にいなければならない。
それは苦痛にも近かった。
先日は怜の兄として亮と再会し…なぜ、怜の周りの人間はこんなに香帆と関係のあった者ばかりなんだろう…。
「香帆さん具合でも悪いですか?」
男二人盛り上がってるのをよそに、浮かない気分でいた香帆を涼葉が気遣う。
香帆より若いだろうか…柔らかそうなフワフワの髪に、長い睫毛、ぱっちり二重。
まるでお人形さんのような可愛らしい子だった。
ーーーこうゆう、いかにも女の子って感じの子が好きだったんだね…。
自分とは真逆だと思った。
「私、人見知りするから、初めましてばかりで」
「ああ、そうですよね。このキャンプファイヤーが終わったら肝試しするそうですよ。しかも、カップル交替で」
「交替?」
「そうです。クジ引いて、要はシャッフルって事です。知らない人と組む事になるから、香帆さん大変じゃないですか?」
「そ、そうね…」
「何のためのシャッフルなんだか、よく分かんないですけど」
出来れば怜とは離れたくない。
だが、和馬にも近付きたくない。
和馬には聞きたい事がたくさんある。
それに、言いたいこともたくさんある。
忘れようとしていたあの頃の気持ちや想いが蘇りそうで怖かった。
それより、なにより…肝試しがあるなんて聞いてない。
香帆がもっとも苦手とするやつだ。
クジは最悪なカードを引いた。
「香帆ちゃん何番?」
「7番」
「あ〜残念、俺1番。香帆ちゃんと肝試ししたかったな〜。7番の男って誰だろ…。変な奴だとヤダなぁ」
怜がキョロキョロと周りを見渡す。
自分のペアより、香帆のペアが気になるようだ。
怜が和馬を見つけ、駆け寄って行ったが、それについて行く気にはなれなかった。
「香帆ちゃ〜ん‼︎」
怜が手招きする。
ニッコリ笑いながらもイヤイヤ怜が待つ和馬達の元へ行く。
「ねぇ、怜君、私辞退しちゃダメかな?」
「え?何で?」
「えっと…」
「もしかして、怖いの?だったら大丈夫だよ。先輩が7番だから!」
「えっ⁉︎」
香帆は声が裏返った。
「先輩なら安心だよ。俺の大事な香帆ちゃん、頼みますぅ」
「おう、任せとけ」
和馬はガッツポーズをして見せ、宜しくと言った。
香帆は上手く笑えてなかった。
メンバーが確定次第、肝試しは始まった。
当然、香帆もその側にいなければならない。
それは苦痛にも近かった。
先日は怜の兄として亮と再会し…なぜ、怜の周りの人間はこんなに香帆と関係のあった者ばかりなんだろう…。
「香帆さん具合でも悪いですか?」
男二人盛り上がってるのをよそに、浮かない気分でいた香帆を涼葉が気遣う。
香帆より若いだろうか…柔らかそうなフワフワの髪に、長い睫毛、ぱっちり二重。
まるでお人形さんのような可愛らしい子だった。
ーーーこうゆう、いかにも女の子って感じの子が好きだったんだね…。
自分とは真逆だと思った。
「私、人見知りするから、初めましてばかりで」
「ああ、そうですよね。このキャンプファイヤーが終わったら肝試しするそうですよ。しかも、カップル交替で」
「交替?」
「そうです。クジ引いて、要はシャッフルって事です。知らない人と組む事になるから、香帆さん大変じゃないですか?」
「そ、そうね…」
「何のためのシャッフルなんだか、よく分かんないですけど」
出来れば怜とは離れたくない。
だが、和馬にも近付きたくない。
和馬には聞きたい事がたくさんある。
それに、言いたいこともたくさんある。
忘れようとしていたあの頃の気持ちや想いが蘇りそうで怖かった。
それより、なにより…肝試しがあるなんて聞いてない。
香帆がもっとも苦手とするやつだ。
クジは最悪なカードを引いた。
「香帆ちゃん何番?」
「7番」
「あ〜残念、俺1番。香帆ちゃんと肝試ししたかったな〜。7番の男って誰だろ…。変な奴だとヤダなぁ」
怜がキョロキョロと周りを見渡す。
自分のペアより、香帆のペアが気になるようだ。
怜が和馬を見つけ、駆け寄って行ったが、それについて行く気にはなれなかった。
「香帆ちゃ〜ん‼︎」
怜が手招きする。
ニッコリ笑いながらもイヤイヤ怜が待つ和馬達の元へ行く。
「ねぇ、怜君、私辞退しちゃダメかな?」
「え?何で?」
「えっと…」
「もしかして、怖いの?だったら大丈夫だよ。先輩が7番だから!」
「えっ⁉︎」
香帆は声が裏返った。
「先輩なら安心だよ。俺の大事な香帆ちゃん、頼みますぅ」
「おう、任せとけ」
和馬はガッツポーズをして見せ、宜しくと言った。
香帆は上手く笑えてなかった。
メンバーが確定次第、肝試しは始まった。