お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
千花はそこでパントリーにパスタの麺があったことを思い出した。
「それじゃ、パスタはどうですか?」
家庭料理の代表格である煮物では時間がかかるし、手早くできる料理といったらそれくらいしか千花は思い浮かばなかった。
「嫌いじゃないぞ」
「じゃ、パスタにしますね」
千花はパントリーからパスタ麺を取り出し、収納から出した深めの鍋にたっぷりの水を注ぐ。真新しいコンロに迷っていると、修矢がピピッと操作をしてくれた。
「それほどお待たせしないでできると思います。修矢さんはあっちでゆっくりしていてください」
「俺も手伝う」
「え?」
シャツの袖をまくり上げながら、修矢が千花の隣に並んで立つ。
「料理、実は得意だったりするんですか?」
バリエーション豊かな調理器具も、もしかして自分が使うからだったりするのだろうか。だとしたら驚きだ。