お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

料理を完璧にこなすエリート外科医よりも、ずっといい。

千花の言葉を聞いてか、修矢の耳がほんのりと赤く染まる。いつも鋭い視線をぶつけてくる修矢の目は泳いでいた。

そんなふうにして照れた表情もするのかと、千花は新たな一面に心が躍る。


「人体と食べ物は違うんだ」


そう言って千花から目を逸らして不機嫌にする様子が、かわいらしくすら思える。


「はいはい、わかりました」
「ほんとにわかってるのか?」
「はい、よーくわかってます」


何度も念押しして聞く修矢に千花は微笑み返した。

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