お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

頭をふるふると横に振っていると、東子に「どうかしたの?」と怪しまれてしまった。


「ううん、なんでもない」


東子にそう誤魔化して頭の中身を切り替え、プランナーの美咲に提案してもらった打掛を次から次へと羽織っていく。


「なんか、こうして衣装を眺めていると、私も早く結婚したくなっちゃう」
「東子なら、望めばすぐでしょ?」


今は仕事が忙しいみたいだが、綺麗で性格もいい東子なら、いくらでも立候補する男性はいるだろう。


「だから無理なんだってば。一目置かれることはあっても、女性として見てもらえないの」


そういえばそうだった。男性顔負けでバリバリ働きすぎたと、東子が愚痴をこぼしていたことを思い出した。


「仕事が出来すぎるのも考えものよ。千花みたいに、お弁当屋で働いているくらいがいいのかも。いかにもいいお嫁さんになりそうだし」
「……それってちょっと馬鹿にしてる?」

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