お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
そうは思ったが、東子には衣装合わせに付き合ってもらった恩もある。千花は「ごめんね」と素直に謝った。
「あの、修矢さん、こちらは高校時代からの私の友人で」
「相楽東子と申します。初めまして」
東子は千花より前に進み出て、修矢にペコッと頭を下げた。
「久城です」
修矢がボソッと挨拶をする。
相変わらずの愛想のなさ。せめて友人に対してくらいは真顔じゃなく、もう少しにこやかに対応してもらいたいものだ。
「久城さん、お友達だとかご兄弟とかいらっしゃいますよね? よろしかったら今度紹介して――」
「ちょっと東子ってば」
千花が慌てて東子の腕を引っ張る。修矢の周りにならば、東子の望むハイスペックがゴロゴロいるだろうと思ったのだろう。
でも、こんなところで自分を売り込むのはどうなのだろう。
「すみません、修矢さん」