お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「……いいんじゃないか」
「その微妙な感想はなんですか」
目を泳がせた修矢に千花が不満そうに返しながら、そのカチューシャを修矢にもつけようと自分から外す。
「おいっ、よせ」
修矢は抵抗したが、その手を避けて千花は無理やり頭につけた。
「あっ、かわいい」
思わず手を叩く。険しい表情を浮かべた修矢と、かわいらしいカチューシャ。そのアンバランスさが、かえってマッチしていたのだ。
(ちょっと悔しいけど、かっこいい人って、なにをつけても似合うものなのかな)
千花がニコニコしながら眺めていると、修矢は自分からそれを外した。
「ほしいなら買ってやる」
「えっ」
千花が驚いているうちに、修矢はワゴンにいたスタッフに「これください」と声を掛けた。