お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

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長く白い廊下の壁に描かれた、ポップな色合いの風船の絵の数々。それは無機質になりがちな病棟を明るい雰囲気にしている。

久城総合病院の三号館、一階に位置する小児科病棟は広い中庭に面しており、どの病室にも配置された大きな窓は開放的な空間だ。

発育の途上にある子供の身体は、機能の変化も著しい。胎児医療の進歩や小児難病の成人化など、小児医療をライフサイクルの中で捉え直す必要性が出てきた最近では、小児科の重要性が高まっている。

久城総合病院ではその点を踏まえ、他の科と連携し時間軸に沿った患者中心の医療を進める病院として、国内では非常に高い評価を得ていた。

修矢の勤務する小児外科では、三人の小児外科医がそれぞれチームを作り、昼夜を問わず二十四時間体制で診療にあたっている。

修矢は医学部を卒業して研修医として二年間学んだ後、単身アメリカへ渡った。
それは研修医時代に心臓疾患の子供たちを救えなかった現場に居合わせたことが発端。より最先端技術のあるアメリカで腕を磨くためのものだった。

帰国後は父親が院長を務めるこの病院で、主に心臓を専門とした小児外科医として働くようになってまだ半年だ。

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