お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
ベッドでうつ伏せになり脱力した千花を抱きしめながら、その肩先に修矢が軽くキスを落とす。
「悪い、こんなつもりじゃなかったんだ」
ついさっきまで弾ませていた千花の呼吸は、少しずつ穏やかなものになっていく。千花の髪を優しく撫でた修矢は、今度は頬に口づけた。
キッチンでのキスだけでは飽き足らず、寝室に移動したふたりは、気づけばそこで二時間近くも甘い時間を過ごしていた。
「……ご飯、冷めちゃったじゃないですか」
恨み言の割に千花が笑顔になるのは、修矢に強く求められたことがうれしかったせい。いつもクールな修矢から、そんなふうにして望まれるとは思いもしていなかったからだ。
「千花がほしくてたまらなかった。そう思わせる千花が悪い」
「な、なんですかそれ。私のせいだって言うんですか?」
身体を修矢の方に向けた千花の頬が膨らむ。
「そういうことだな。だから仕方がない」
「そんなっ」
なんて横暴な!と思う千花だが、それよりもうれしさが勝る。
「温めるのは手伝うから許せ」
そう言われなくともとっくに許しているが、千花は「それにキスも付けてください」とねだった。