お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
おかしいと思っているうちに、今度は体調の悪さを感じるようになる。胃のあたりが常にムカムカして、食欲もあまりない。
「それってつまり……」
呆然と囁くように言った修矢の顔が、期待に満ちたように輝き始める。
「でもまだ病院に行っていないのではっきり断言はできないんです。ただ、妊娠検査薬では陽性が――」
「そうなのか!」
修矢が珍しく興奮気味に千花を遮る。
もはや千花がまだわからないと言ったところで、修矢の耳には届かなそうだ。
修矢は座ったまま、千花を優しく抱きしめた。
「……千花を手に入れたときの次にうれしい知らせだ」
耳に届く修矢の甘い囁き声。
なによりも千花との出会いを大切に思ってくれていることが伝わってきて、千花の胸がじんと熱くなる。
不意に修矢がソファベッドから下り、その場に跪く。そして、千花のお腹に服の上からキスを落とした。